自分自身は、twitterのタイムラインに関してまだ定まった考え方を持っていません。そのため、芦田先生のtwitterに関する様々な定義を評価をしかねる部分もありますが、しかし「個人としてのtwitter利用の価値」をより深く考えるきっかけとして、「twitter微分論・twitter身体論へ」の参加は貴重な体験となりました。
twitter微分論・身体論について興味のある方は、実際に東京会場に参加して、あるいはUSTを見て自分で体感して欲しいと思いますが、各論として主なキーワードに関するまとめと個人的な感想をアップしておきますので、東京会場参加者の方々に芦田先生とより掘り下げて議論をしていただく参考になればと思います。
野口悠紀雄の調整理法=タイムライン
・調整理法とはインデックスをを作らない。更新ファイル群は相互に意味的なつながりが無い。それはタイムラインと同じだ。
・時間制が検索性を構成している。
・タイムラインは現在が共有されている。
twitterのデータベース論は間違えだ
・入力で差別してはいけない。データベースには膨大な無駄を集め未来に対応するもの。
・ 検索はデジタルイン、アナログアウト。
・リスト化するする行為は入力時点で選別を行っている。
タイムラインはポストGoogle
・検索で初心者が必要でない情報、間違った情報を判断するのは難しい。
・アリストテレスの議論にwikipediaの記事を引いてこられても困る。
・タイムラインだと、このあたりに収束するという最適値が見えてくる。
ハイパーリンク(テッドネルソンの考え方)
・目標が一つであっても学び方はいろいろだと言っている。
・一つのテキストを理解するのに学ぶプロセスは人の数だけある。
・通常の書物は階級主義だ。なんで学ぶ順番を強要されなければならない?
・ネット上では全てが表面、ホームページだ。どこが2ページ目かは作り手側の考え。
・ 一つのコンテンツを階層的に表現するのは書物主義だ。
・どこから入ってくるかわからないコンテンツをサイトと言ってふんぞり返るな!
・ しかし、ハイパーリンクでも最終的には山頂に登り切らなければならない。
・ 学びの強い意志を想定しなければならない。学びの動機を強く持った主体が前提とされる。
ブログ
・ブログは時間の概念を持ち込んだ。
・ブログも更新の意志をもったもの、発信の意志をもったものしか更新しない。
・ ハイパーリンクの孤独はブログでも起きている。
mixi
・ストックの全くない人も書き続けることができる。
・ストック形成をアシストするシステム。
twitterの新しさ
・これまでのメディアはテーマ主義だ。
・ テーマ的に会話を重ねるのが、チャットや2ch。
・テーマ主義は時間制をそぎ落としていく傾向にある。
・ twitterでは発信と受信の時間が微分格差的に共有化される。
twitterにおける微分とは
・今という時間で並べる、短くするとどんどん似通ってくる
・フォロー数が多い程、現在の微分度は高まる。フォロー数が大事。
・現在という観察の時間を短くする効果は大きい。現在を短くすると属人性が後退していく。
・微分というのは、それ以上細かくするとなんだか分からなくなる直前のこと
・「この餃子うめー」「この餃子旨い」「この餃子うまい!」の「うまい」の差が個人。
・微分していった末にどこかで一致するのが大事
・タイムラインの観察時間を短くすると、他社と自分の差がなくなっていく。同一性が増えていく。ストライクゾーンが広がる。
マーケティングについて
・ 自分達で平均化して、その商品のポテンシャルを減じているのではないか?
なぜ消費者と作り手を分けてしまうんだろうね?
※個人的なメモ:平均化することで、誰でも使える、限られた時間で使えるというツール化を可能にしているのではないかと思う部分もがあります。
近代とポスト近代
・ソーシャルメディアには平面しかない。階層的な構造に抗う。
・twitterはアーキテクチャーとして、平等な発言を保証している。仕組みとして他の人間の発言を許容する。
・一つの決断をしたら、必ず他の決断が存在している。
・自己は選択によってつかみ取っていくもの。
・科学技術は、選択性を増大させていく。「私とは何か」がいつも脅迫的にひとりの人間に迫っていくのが現代。
ハイパーメリトクラシー
・コミュニケーション能力なんて教えられない!!!
・誰が教えられるか分からないテーマを高等教育に位置づけられるわけがない。
・伝える方法を55才になっても必死に考えてる。死ぬまで考えなくてはならないこと。
・基礎的なことを聞かれ、答えられる状態を作って行かなくてはならない。
・U40は全てが自己表現だと思っている世代。
・自主性を学生に押しつけようとしている。
・タイムラインは内面性を増大、肥大していく。
・タイムラインはメディアとして、初めて大きな物語の終焉が表れている。
微分自己解体論=心理主義
・ 心理主義=モデル論
・モデル論=自己の解体。
・長男、A型、射手座、餃子、しょうが丼などで心理モデルがタイムライン上で形成される。
twitterの時間構造の一番の特徴
・書かれることと読まれることが同時になる。
・身体がタイムラインに存在している。身体の同伴性がtweetの一番大事な部分。
・twitterが初めて身体表現できるメディアになった。
・ストライクゾーンが広がるチャンネル戦略が可能となる。
タイムラインの属人性を解体する多面性
・タイムラインでは情報交換ではなく、生活交換が行われている。
・タイムライン上で微分した情報を展開すると、リアルな交流を拡大する。
・禿げとかのもつ意味が相対的に軽くなる。
現象学的人間論
・原初とは、最初のリソース。買う気は無いけど少し興味はある。そのための見かけ。
・ タイムラインのつぶやきは、現象学的な原初。
・ タイムラインが理論や理屈ではないのは身体がそこに存在しているから。
・ 従来型のメディアの「メニュー」という切り口は身体性をみることができない。
・ 大事なことは、カテゴリ、切り口で捨て去った人に目を向けさせること。
身体内面論
・ 携帯電話が身体測定機能を持ちつつある。それは情報が身体をもつということ。
・髪の毛までも内面の表現、自己表現と考えているひとが増えている=身体内面論。
・身体が自己表現の対象となってしまっている。
・人と人との偶然のつながりは無くなっていく
・ 多チャンネル化は必然性のあるつながりしか関係性にいたらない。
・内面の拡大圧力は、活用されていない。実務的に言えばもっと使えばいいのに。
※個人的なメモ:twitterはアノテーションの実装を予定してます。芦田先生の言うような細胞レベルとまでは行かなくても、アノテーションが実現すれば身体的な情報までも埋め込む余地がAPIレベルで実装されることになります。
身体性の変容
・twitterの普及で新しい心理的ストレスが生じる。
・性関係は現代ではかなりニュートラル、内面性が肥大化しどこかで身体変容が起きている。携帯電話やtwitterを通してお互いの身体性をイメージできる。
・ 男女の対ではなく、n個の対がおきうる。
・ twitterは身体変容と内面のインフレ化を推し進める。それはそれで楽しくないこともない。
・でも、自分は奥さんと楽しい性生活がおくれてよかったよ。
芦田先生がtwitterに希望すること
・自分はタイムラインで十分。
・強いて言えばハッシュタグにIDをつけてAPIレベルでアクセスできるといい。
芦田宏直 presents 「twitter微分論からtwitter身体論へ」@東京
芦田宏直 「twitter微分論からtwitter身体論へ」@名古屋
【追記】
「twitterにおける微分とは」に項目を追加しました。


