「そんなんじゃクチコミしないよ。ネットだけでブームは作れない新ネットマーケティング読本」はコミュニケーション・デザイナーの河野武さんのブログ
smashmediaのインターネットとマーケティングに関した部分がまとまった本です。
2000年代半ばよりブログを広告メディアとして扱うバイラルマーケティングが始まると、同時にペイドブログでの商品言及がクチコミの形成には必ずしも貢献しないんじゃないか、という疑問が発生しだします。ただ、インターネットの側からブログやネットの影響力について冷静に検証しようという声はあまり大きくは聞かれませんでした。
ブログをマーケティングに組み込む価値がバズの形成だけにあるのではないという視点のドキュメントは、今ではネット上でも多く見られるようになりましたが、ハッキリとブログマーケティングにクチコミ形成を期待するのが「間違っている」という文章を読んだのは「そんなんじゃクチコミしないよ。」が最初ではないかと想います。
「そんなんじゃクチコミしないよ。」では広告としてお金を出してブロゴスフィアにクチコミが形成されるのを期待することや、そもそもインターネットの「ブームを起こす力」を過度に期待することが「間違っている」と断言しています。そして“大事なのはインターネットの強み、本当の価値を理解すること”だとしています。
では何がインターネットの強み・価値なのでしょうかクチコミはコントロールできません。本書にもあるように、”消費者が購入検討時にブログを参考にするのは、「生」で「今」の声がそこにあるからです。生活者が購入したり、体験した商品について本音を書いているからこそ、それが読まれ、(ほんの少しかもしれませんが)影響を与えられる”のです。
「そんなんじゃクチコミしないよ。」では、消費者との深いコミュニケーションを形成できることがこそインターネットの本当の価値だと言います。
インターネットのコミュニケーションがもたらすものはなんでしょうかCGMがマーケティングに有効だといわれているのは、” 信用度とそれ故のの影響力が一般の広告メディアに比べても高く、購買行動に大して強い影響力があるから”です。
「そんなんじゃクチコミしないよ。」のなかでは、企業とブロガーのもっと良い関係を築く方法論として、Partner Generated Media(PGM)という考え方が提案されます。
企業が消費者をパートナーと認識しなおし”適切な人に、適切な手段とタイミングで適切な内容のメッセージを伝える”ことで、味方メディアを構築し少しづつ、しかし最終的には大きな力を得ることができるのです。
さて、今インターネットマーケティングは、従来のメディアを使ったマーケティングとは異なった方向への可能性を見せ始めてています。「そんなんじゃクチコミしないよ。」はインターネットのサービスやコンテンツ、マーケティングに関わる人たちがそれぞれその可能性について考え始めるきっかけとして、最良のテキストなんじゃないかと思います。